第三世代が考える ヒロシマ「」継ぐ展

活動報告Report

【活動レポート】広島女学院高校生と平和学習デジタルスタンプラリーの「比治山ルート」最終歩行を行いました。

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2023年7月13日(木)16:00-17:00 広島女学院高校生と卒業生有志8名で3月から開発をしていた平和学習デジタルスタンプラリー「ピーズパズル」内「比治山ルート」の最終歩行を行いました。

当日は、NHK広島放送局、毎日新聞社、LIVING広島の取材が入りました。

被爆樹木のシダレヤナギから現代美術館を経て陸軍墓地までのコースを、スタンプラリーの機能を実際に使いながら、参加者の気持ちになって歩いていきました。

「スポットの解説を、今よりも漢字を少なくしてわかりやすい言葉にした方が伝わりやすいかも。」という意見や「他の学生と一緒に、スタンプラリーを使ったガイドをしてみたい。」という意見も出ました。

スタンプラリーの開発に携わった学生たちの感想を共有します。

個人の思いや情報の正確性は直接会って話さなければ得ることができず、ネット上や本にある二次情報だけでは足りないのだと実感しました。

これまで私は、英語にしか興味がなかったので企画をしたことはもちろん、多くの方の手に届くものを1から作る経験がなかったので、はじめは不安でいっぱいでした。

コースの内容を決めるために、ネットで調べたり何度も図書館や比治山に足を運び、クイズの内容やどの場所をどの順で回ればより良いものになるのか試行錯誤を重ねました。

多聞院や広島市現代美術館の方とお話を伺った際に、個人の思いや情報の正確性は直接会って話さなければ得ることができず、ネット上や本にある二次情報だけでは足りないのだと実感しました。

わたしはこの活動に企画班として携わるなかで初心をわすれず当たり前のことを大切に考えることに気づくことができました。貴重な経験をさせていただき本当にありがとうございました。

山島 雫(高3)

広島にはこの他にもたくさんの「ピーススポット」があることを知り、とても驚きました。

私は、ピースパズルの活動に参加することができて本当に良かったです。理由は2つあります。1つ目は、チームの皆とピーススポットを巡り、意見を出し合ってパズルを作成できたことです。会う度に皆との絆が深まったので、良かったです。2つ目は、私がピースパズルに参加しようと思ったきっかけである「原爆による被害をたくさんの人に伝えたい」という願いを達成できたからです。

今までは、本やインターネットの情報を探るばかりで、原爆に関する場所を実際に自分の目で見て周ったのは平和公園以外にありませんでした。だから、ピースパズルの活動に参加して、広島にはこの他にもたくさんの「ピーススポット」があることを知り、とても驚きました。

今は他の街と変わらずに緑溢れる広島ですが、過去の原爆による被害を忘れてはならないと改めて思いました。このような貴重な機会を作って頂き、本当にありがとうございました。また「ピースパズル」のボランティアに参加したいです。これから、平和活動をするときには、ピースパズルのボランティアをして学んだことをいかせるように頑張ります。

土井 瀬戸(高2)

比治山は全体的に原爆の爪痕が色濃く残り、景色も素晴らしいので、ぜひ海外の方にも来て欲しい場所だと思いました。

広島市現代美術館では、自分が想像していた以上に原爆や平和に関する作品が多くあり、まさにピースパズルにピッタリの場所だと思いました。

私が美術館の展示で一番印象に残ったのは、平和記念公園で原子力の使用を促進するためのパレードが開催されていた時の写真です。当時は、「原子力を平和利用する」という考え方が人々の間にあったそうです。今となっては、考えられないことだと思い、驚きました。また、原子力を題材にしたすごろくがあったことも衝撃でした。

また、作品だけではなく、現代美術館の建物全体が世界平和を訴えかけるようなデザインでした。平和へのメッセージを空間全体から感じ取ることが出来ました。

そして、多聞院では、今まで知らなかったことをたくさんお聞きすることができました。以前、この場所を訪れた時は、鐘の建物の損傷に気づけなかったのですが、副住職さんに指摘してもらったことで、木材が折れてる所が何ヶ所もあることに気づきました。この損傷は爆風によってもたらされたものだそうです。爆風の威力を直接感じることができました。多聞院の鐘の建物は、資料館にある展示とは違い、仕切りがないので、間近で見ることができ、迫力を感じました。
比治山は全体的に原爆の爪痕が色濃く残り、景色も素晴らしいので、ぜひ海外の方にも来て欲しい場所だと思いました。

秋田 撫子(高2)

アドバイスをたくさんしてもらい、先輩と一緒に悩みながら平和について人に伝えるにはどうすればいいのかを真剣に考えることができました。

自分の身近にも戦争の歴史を伝えるものがあるとは知りませんでした。私はスタンプラリーのルート開発なんてできるのかと思っていましたが、卒業生の舛岡さんや継ぐ展代表の久保田さんにアドバイスをたくさんしてもらい、先輩と一緒に悩みながら平和について人に伝えるにはどうすればいいのかを真剣に考えることができました。

ピースパズルのルートやクイズを考えるにあたって、相手の目線になって考えることが本当に大切だということが分かりました。自分が納得するものを作るのは簡単ですが、相手が納得するもの、満足するものを作るのは、相手の気持ちを想像しなければならずとても大変でした。何度もルートを周って、何度も考えて、人に伝えることの大変さや面白さ、広島の歴史にも触れることができました。

調べるときは、ネットに頼るだけではなく、詳しい人に聞くことの大切さが分かりました。ネットもいいですが、その人が伝えたい思いなども載せられるため、私は人に聞くほうがいい場合が多いのかと思いました。

こうやって現地に行ってみて、詳しい人に聞いてその人が感じていることを聞くことができたのは本当にいい経験になりました。

藤田 真緒(高2)

副住職さんのお話で特に印象に残っているのは、「朝の風景はいつの時代どこの場所でも変わらない。朝の鐘を鳴らしていると8月6日の朝、何の罪もない人が沢山亡くなったことを臨場感を持って体験することができる。」というお話です。

私は、学校で碑巡りを去年1年間を通してボランティアとして行っていました。そこから平和活動に興味を持つようになり、ピースパズルに参加させて頂きました。
今回調べた碑は、広島に長く住んでいる私でも知らないものが多く、ネットの情報も真実か見極めるのが難しかったです。

実際に現代美術館や多聞院に行って様々な方のお話を聞かせて頂いたのはすごく貴重な経験でした。現代美術館には初めて行ったのですが、屋根の切り込みが爆心地の方を向いていたり、戦争系の展示品が多かったりで「あぁ、ここは広島なのだなぁ」と実感しました。

多聞院では、副住職さんのお話を聞かせて頂きました。このお寺の鐘には「NO MORE HIROSHIMA’S」と書かれています。本来’Sの後には名詞が付くはずですが、ここには付いていません。これを見た人々に委ねられているそうです。

副住職さんのお話で特に印象に残っているのは、「朝の風景はいつの時代どこの場所でも変わらない。朝の鐘を鳴らしていると8月6日の朝、何の罪もない人が沢山亡くなったことを臨場感を持って体験することができる。」というお話です。
この後、鐘を鳴らさせて頂いたのですが、本当に原爆の日を身をもって体験することができました。
このピースパズルの活動を通して、改めて平和の大切さを身をもって体験することができました。
11月にリリースされたら、私もやってみたいと思います。でもまずは、ここまで活動してきて関わってくださった大人の方やルートをずっと考えてくださった先輩方に感謝したいです。

伊井 のぞみ(高2)

「知らないを知る」という経験を、自分自身がこの活動を通して身をもって体験できました。

私はピースパズルの活動に参加して、広島が平和なのは、戦争と原爆の痛々しさを形として残し、言葉で伝えている人がいるからだと感じました。
調べていく中で、いつも歩くところにあった知らない原爆遺構に出会い、なんとなく知っていた原爆遺構にも、生き残った人、亡くなった人のストーリーが少しでも証拠として残っていることを知りました。
お話を聞いたり、景色を見たり、自分で調べたり、地元にあって知った気になっていたものをちゃんと学ぶ「知らないを知る」という経験を、自分自身がこの活動を通して身をもって体験できました。
広島には、原爆ドームや原爆の子の像など有名なものはあるけど、ピースパズルを利用する方には、広島にはたった1本の木でも、原爆の恐ろしさや平和を訴える力があって、その力を感じて、身近な人に話して、平和を考える1つのきっかけになってほしいと思います。

山下 海空(高3)

被爆者の方が少なくなっている今、私たちがこれからどう行動するかで、原爆の記憶が後世に遺っていくかが決まるという責任感も強く感じました。

広島市現代美術館では、美術館の方が作品をひとつひとつ丁寧に説明してくださったため、作品に込められた作者の思いをじっくり考えながら見ることができました。
美術から原爆のことを学ぶというのは初めてだったのですが、文や写真だけでは伝わらない感情が表現されていて、美術から平和を学ぶことはとても効果的だと思いました。

多聞院では副住職さんから、原爆が落ちたときの寺の様子や鐘に込められた思いを伺いました。
鐘楼から見る景色は、路面電車が走っていて、川が見える、普通の広島の景色です。朝には通勤通学の人が多く通るそうですが、それは原爆が落ちた日も現在と変わらないと住職さんは話されました。ごく普通の一日が始まるはずだったところに、突然原爆が降ってきたと考えると、とても怖くなりました。

ピースパズルの活動を通して、広島で育ってきた私でも気付かなかった広島の町に残る原爆の痕跡を見つけて知っていくうちに、以前よりも平和についてもっと考えたいと思うようになりました。
それと同時に、被爆者の方が少なくなっている今、私たちがこれからどう行動するかで、原爆の記憶が後世に遺っていくかが決まるという責任感も強く感じました。

広島にずっと暮らしている方も、初めて訪れる方も、このピースパズルを使って、実際に自分の目で原爆に関するものを見て、平和について深く考える機会になれたらうれしいです。

比治山陸軍墓地から見たような日常の景色が続くように、これからも学び続け、自分にできることがあったら少しでも行動に移すようにしたいです。

この度はピースパズルの制作に携わるという貴重な経験をさせていただき本当にありがとうございました。

萬谷 和佳(高2)

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